2005年07月26日(火)

ハナ、10歳の誕生日プレゼント

子どもたちの夏休みも、あっという間に1週間が過ぎました。

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「ただいま~!」

学校のプールからハナが帰ってきました。リビングでは、弟のソラがブロックあそびをしています。台所で昼食をつくっているお母さんが「おかえり」と返事するよりはやく、ハナは水着やバスタオルの入ったビニール袋をソファの上に放り投げ、冷蔵庫へ。よっぽどのどが乾いていたのでしょう。お母さんの手づくりのレモネードをコップに注ぎ、一気に飲み干しました。

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「先に手を洗いなさい、ハナ」

お母さんはカウンターテーブルの向こうからハナに注意しましたが、ハナはソファの横に置かれた大きなダンボール箱に気を取られて聞こえなかったようです。ダンボール箱の表面にはアルファベットで何か書かれていますが、ハナには読めません。どうやら、海外から届いた荷物みたいなのですが……。

「ねぇ、お母さん。これ、なに? お父さんから?」

ハナは、サンフランシスコに出張中のお父さんが送ってきた荷物だと思いました。弟のソラもそばに寄って来て、ダンボール箱をペタペタと触っています。「ハナ宛ての荷物だけど、差出人はミナ・トロットさんね。ミナはお父さんの会社をつくった方よ。ハナが帰ってきたから、ちょっと空けてみよっか」

そういって、お母さんはカッターナイフで上手に段ボール箱のテープを切り、なかから大きな赤いリボンのついた木箱を取り出しました。リボンにはさまっていたカードにはこう書かれています。

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小さなレディーへ
10歳の誕生日おめでとう。ミナより

実は、今日はハナの10歳の誕生日だったのです。思いがけないプレゼントにニコニコしながら、ハナはリボンをほどきはじめました。弟のソラは、ハナの横にピッタリくっついてじっと見ています。ハナが木箱を開けると……そこには大きなぬいぐるみと、それとまったく同じ形をした小さなぬいぐるみが入っていました。

「あ、かわいいー!」

ハナがそのぬいぐるみを持ち上げようとしたそのとき、大きなぬいぐるみは大きないびきをかきました。小さなぬいぐるみは、小さな鼻ちょうちんを出しています。

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ハナたちがぬいぐるみだと思ったミナからのプレゼントは、実はいままで一度も見たことのないようなふしぎ動物だったのです! 目の前で気持ちよさそうに眠っている2匹を見て、ハナとソラは目を丸くしてしまいました。

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