タン、トン、タン、トン、タン、トン。
翌朝、ハナは太鼓をたたくような音で目が覚めました。寝返りをうち、二段ベッドの上からまだ薄暗い部屋を見下ろすと、何かが床をピョンピョンとジャンプしています。そうです、昨日はずっと眠ったままだったあの2匹のふしぎ動物が、追いかけっこをするように仲良く飛び跳ねていたのです。
「ねぇ、ソラ、起きてよ。ほら、昨日のあれが動いてるよ。ねぇ、ソラってば」
ハナは二段ベッドの下で寝ていた弟のソラをむりやり起こしました。ソラが目をこすりながベッドの手すりに手をかけると、2匹の小動物がジャンプしな がらソラに近づきました。おどろいたソラは、思わず「わっ!」と声を上げました。それを見た2匹は、ソラと同じぐらいびっくりした様子でブルブルとしっぽ をふるわせています。
「恐くないよ、こっちにおいで」
ハナが手を差し出すと、2匹はおそるおそる小さく飛び跳ねながら近づいてきました。「よしよし」と、ハナが大きいほうの頭をなでえると、ソラもハナのまねをして小さいほうの頭をなでました。
「おねえちゃん。この子、なんだかプルプルしてるねー」
「そうね。杏仁豆腐みたいだね」